【2月13日 AFP】世界の海面上昇のペースが加速しており、今世紀末までに66センチ上昇する可能性があるとの研究報告書が12日、発表された。この数値は国連(UN)の推定値とほぼ一致しており、沿岸部の都市への重大な影響も懸念される。

 米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された報告書によると、過去の海面上昇のペースは年約3ミリだったが、2100年までに3倍以上の年10ミリとなる可能性があるという。

 25年に及ぶ衛星データを基にまとめられた報告書には、「これは国連の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate ChangeIPCC)の第5次評価報告書とほぼ一致している」と記された。

 報告書をまとめたコロラド大学ボルダー校(University of Colorado Boulder)のスティーブ・ネレム(Steve Nerem)教授は、「この(海面上昇の)加速は、主にグリーンランドおよび南極大陸の氷床融解の加速に起因するもので、2100年までの総上昇量は、海面上昇が一定のペースで進むと仮定した場合の約30センチではなく、2倍の60センチを超える可能性がある」としている。

 研究にはその他、米サウスフロリダ大学(University of South Florida)やNASAゴダード宇宙飛行センター(Goddard Space Flight Center)、米国立大気研究センター(NCAR)の研究者らが参加した。(c)AFP