【2月13日 AFP】北米で先週末に公開された実写CG映画『ピーターラビット(Peter Rabbit)』にウサギのピーターたちが宿敵の男性の口にブラックベリー(クロイチゴ)を放り込んで食物アレルギーの症状を起こさせるシーンがあり、配給元のソニー・ピクチャーズエンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)に批判が殺到している。

 問題とされたのは、ピーターたちが宿敵である人間の男性トム・マクレガー(Tom McGregor)と対決する場面。ブラックベリー・アレルギーがあるマクレガーに向かってピーターたちが投げつけたブラックベリーがマクレガーの口に入ってしまい、マクレガーはアナフィラキシー(複数の臓器に同時あるいは急激に出現するアレルギー反応。生命に関わる場合もある)が現れた時に症状の進行を緩和する自己注射薬「エピペン(EpiPen)」を注射するがショック症状を起こして倒れる。

 食物アレルギーがある子供とその家族の支援団体「キッズ・ウィズ・フード・アレジーズ(Kids with Food Allergies)」はソニー・ピクチャーズに宛てた公開書簡の中で「この症状を軽く扱うと、一般の人たちがアレルギー反応を深刻なものと受け止めなくなる恐れがある」と指摘し、主人公たちがアレルギーショックについて「無頓着な態度」をとっている描き方は問題だと苦言を呈した。

 ツイッター(Twitter)にも、ハッシュタグ「#BoycottPeterRabbit」(ピーターラビットをボイコットしよう)をつけて映画をこき下ろすような書き込みがあふれた。

 批判を受けてソニー・ピクチャーズと映画の『ピーターラビット』の制作会社は11日、「食物アレルギーは深刻な問題だ。たとえ漫画的でどたばた喜劇風な表現だったとしても、われわれの映画の中でピーターラビットの宿敵であるマクレガーのブラックベリー・アレルギーを軽く扱うべきではなかった」と謝罪する声明を発表した。(c)AFP