【2月10日 AFP】平昌冬季五輪の開会式会場に姿を現して話題を呼んだ、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領のそっくりさんが、五輪主催側から親切な対応を受けたとして感謝の意を表した。

 9日に行われた開会式で、反目し合っている「両首脳」が平昌オリンピックスタジアム(Pyeongchang Olympic Stadium)の報道関係者席に入り込むと、ちょっとした騒ぎとなり、2人は警備員に取り押さえられた。

 ハワードX(Howard X)の芸名を持つ金氏のそっくりさんはAFPの取材に対し、トランプ氏に扮(ふん)したデニス・アラン(Dennis Alan)さんと一緒に報道関係者のエリアに入って行こうとしたのは「選手に手を振ることができる」と思ったためだと話した。その後、2人はスタジアムから追い出されることはなく、チケットを持っていたため自分たちの席まで案内されたという。

 ハワードXさんは、「護衛まで用意してくれたので本物らしく見え、ますます騒ぎが大きくなってしまった」と語った。

 五輪組織委員会側は、2人の服装については問題はなかったが、一般人のチケットで報道関係者席に入り込んでいたため、そうしたケースが起きた場合の通常の手順に従ったと述べている。

 金氏の妹で高官級代表団の一員として韓国を訪問した金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)党中央委員会第1副部長やマイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領がいた貴賓席には近づくこともできなかった2人だが、ハワードXさんによれば、驚いた観客からは温かく迎えられ、警備員からは自撮り写真を求められたという。(c)AFP