【2月10日 AFP】韓国を代表する元フィギュアスケートの女王、金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ)さんは10日、平昌冬季五輪の開会式で聖火台に点火する経験は「感動的」だったと同時に、聖火トーチを落とすことを恐れていたと認めた。

 2010年バンクーバー冬季五輪のフィギュアスケート女子シングルで金メダルを獲得し、4年後のソチ冬季五輪でも銀メダルを手にしたキム・ヨナさんは、9日に行われた平昌五輪の開会式でつかの間スケートを披露すると、トーチを受け取って聖火台に火をともした。

 現在27歳のキム・ヨナさんは、「10年もスケートをしていますが、これほど高い場所で滑るのは初めてです」とすると、「競技をしているときは、観客の姿が目に入ることはほとんどありません。ただ転倒しないように、スケートに集中するだけです。でも、これほどたくさんの人々の前で何かをするのは初めてでした。点火した時は少し夢をみているようでした。感動して感情がまひしたようでした」と話した。

 韓国では国民的な人気を誇るキム・ヨナさんは、アイスホッケー女子の南北合同チームの選手2人から120もの長い階段の先で聖火を受け取ったが、トーチの受け渡しはリハーサルなしで行われたことを明らかにした。

「何か問題が起きないか心配でした。北朝鮮の選手と目が合ったときは笑みを浮かべましたが、緊張していました。競技であれば、もう一度戻ってミスを修正できます。しかし、聖火点灯の機会は一度きりで、世界中が注目しています。あっという間の出来事で、夢のようでした」 (c)AFP