【2月10日 AFP】米司法省ナンバー3のレイチェル・ブランド(Rachel Brand)次官(44)が就任からわずか9か月足らずで辞任することが分かった。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が9日、報じた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領および共和党は、ロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官が指揮を執っている2016年の米大統領選へのロシア介入にトランプ氏陣営が共謀していたとされる疑惑の捜査をめぐり司法省への攻撃を強めている。

 ロシアの介入疑惑の捜査にいら立ちを強めたトランプ氏は、モラー特別検察官を解任する権限を唯一有する司法省ナンバー2のロッド・ローゼンスタイン(Rod Rosenstein)司法副長官の更迭を検討していると伝えられている。司法副長官が更迭されれば、少なくとも後任が大統領の任命を受けて議会で承認されるまで、ブランド氏がモラー氏の捜査の監督を引き継ぐ立場にあった。

 司法省は今のところ報道内容を確認していない。ニューヨーク・タイムズは、ブランド氏は民間に転じる予定だと報じている。

 安全保障法の専門家でもあるブランド氏は2003年、当時のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領(共和党)に任用されて司法省の職に就き、4年後、民間に転じた。2012年にバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領に米連邦プライバシー・市民的自由監視委員会(PCLOB)のポストに任命された。同委員会が米国家安全保障局(NSA)の監視プログラム、特に国民のデータ収集の正当性について検討した際、ブランド氏は同プログラムを擁護していた。

 ブランド氏はトランプ大統領の任命を受けて、昨年5月に再び司法省入りし、ローゼンスタイン司法副長官とジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官の直属の部下として働いていた。セッションズ司法長官はトランプ氏の選挙戦に自身が関与していたことからモラー特別検察官の捜査からは外れている。(c)AFP