【2月10日 AFP】リビア東部にある同国第2の都市ベンガジ(Benghazi)で9日、2つの爆弾がモスク(イスラム礼拝所)で爆発し、少なくとも1人が死亡、149人が負傷した。ベンガジでは礼拝者を狙った攻撃が相次いでいる。

 治安筋によると、爆発は首都トリポリの1000キロ東に位置するベンガジのモスクで毎週恒例の金曜礼拝が始まった時に発生。爆弾の一つはモスクの中庭に安置されたひつぎの中に、もう一つは出入り口の靴箱に隠されていた。

 国連(UN)が支援する首都トリポリのリビア統一政府(国民合意政府、GNA)と並立して同国東部に樹立された政権の保健省報道官によると、この爆発で1人が死亡、149人が負傷した。

 ベンガジでは今年1月23日にも礼拝終了後のモスク前で2台の自動車爆弾が相次ぎ爆発し、40人近くが死亡していた。

 この攻撃に対する犯行声明は出ていない。元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏の軍勢が支配するベンガジ地区の情勢が混迷の一途をたどっていることが改めて浮き彫りになった。

 トリポリを拠点とする統一政府と対立するハフタル氏は昨年7月、イスラム武装勢力との3年にわたる戦闘の末にベンガジの「解放」を宣言したが、その後も散発的な抗争が続いている。(c) AFP