【2月10日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は9日、元妻2人に対し家庭内暴力を振るった疑惑が浮上して秘書官を辞任したロバート・ポーター(Rob Porter)氏を称賛した。

 ポーター氏辞任のスキャンダルはトランプ大統領の判断力に疑問を投げ掛けた上、ジョン・ケリー(John Kelly)大統領首席補佐官とホープ・ヒックス(Hope Hicks)広報部長も評判を損ねる結果となった。

 ポーター氏の元妻2人が同氏から肉体的・心理的な虐待を受けていたと主張。うち1人は同氏に殴られてできた傷だとして、目の周りにひどいあざが残る自分の顔写真を公開した。

 ポーター氏はトランプ政権発足からこれまで機密事項の全面的な取り扱い許可を受けていなかったにもかかわらず、ホワイトハウス(White House)の中心部で重要な役割を果たしてきたが、家庭内暴力疑惑が浮上したことを受けて今月7日に秘書官を辞任した。

 トランプ大統領は9日、ポーター氏を称賛し同氏の将来は明るいと示唆し、スキャンダルにさらに油を注ぐ形となった。トランプ大統領は大統領執務室でポーター氏について「われわれは彼の幸運を祈っている。彼にとって今は大変な時期だ」と述べた。「彼(ポーター氏)はホワイトハウスでとても良く働いてくれた。われわれは彼が将来良い仕事に就けるよう望んでいるし、彼は将来素晴らしいキャリアを手にするはずだ」

 さらにトランプ氏は、「おそらく知っているだろうが彼は無実を主張しており、皆そのことを忘れるべきではない」と指摘した。

 ケリー首席補佐官はポーター氏の家庭内暴力疑惑を承知していた。その上でホワイトハウスでのポーター氏の振る舞いを称賛し、「誰もが皆、自分の評判を守る権利を持っている」と述べた。

 トランプ大統領が最も信頼する側近ともいわれるヒックス氏は、ポーター氏と恋愛関係にあるにもかかわらずホワイトハウスの広報部長としてポーター氏のスキャンダルへの対応に当たったという。(c)AFP/Andrew BEATTY