【2月12日 東方新報】「ほら、用が済んだら水で軽く流すだけでこんなにきれいになるよ。うちは貧乏だけど、一銭も出さずにこんなに清潔な水洗トイレが使えるようになって、まるで都会に住んでいる人の生活みたいだ」

 江西省(Jiangxi)竜南県(Longnan)桃江郷(Taojiang)水西壩村(Shuixiba)に住む陳さん(64)は喜ぶ。

「これまでは毎朝、起きるとすぐ外に出て、トイレに家族みんなで並んだもんだよ」。穴が一つ開いているだけで、中は暗いし臭いし、ハエはぶんぶん飛んでいるし、本当にひどかった」と陳さんは振り返る。近所と共用ではないが、家族でトイレの前に列をなすのが日課だったらしい。

「厠所(トイレ)革命」は、中国各地の農村地区では貧困から脱け出すための重要なプロジェクトの一つと位置付けられた。竜南県と同様にトイレの改造が進められ、「美しい農村地区」の建設のシンボルになった。

 統計では、農村地区のトイレ普及率は2012年の71.7%から、16年には80.4%まで上昇した。「革命」によって農村地区の環境衛生面は明らかに改善した。また、病気の予防や疾病の減少にもつながり、住む人の生活にも大きな変革をもたらしている。

■トイレ設備のニーズ、世界で45億人

 世界では、自宅にトイレがないか、排泄物などの処理施設が整備されているトイレを使うことができない人は、国連(UN)のまとめによると世界人口の6割に相当する45億人に上り、屋外で排泄を済ます人も862万人いるという。安心して用を済ますことができ、処理施設が整ったトイレが使えるようになることは、公衆衛生上の重要な課題だ。

 今日中国(China Today)の報道によると、2017年9月に開かれた世界観光機関(UNWTO)の総会で、中国のトイレ対策に対して各国代表から絶賛されたという。カンボジアの観光省の責任者は、「中国の『トイレ革命』は世界に大きな影響を与えた。その成功の経験から学習したい」とたたえた。

「厠所(トイレ)革命」の世界への影響は、計り知れない。特に発展途上国にとっては、中国のたどった道のりが、トイレ問題を解決するいい見本となりそうだ。(c)東方新報/AFPBB News