【2月10日 東方新報】きれいであることは、日本の公衆トイレの最低条件だ。中国が「厠所(トイレ)革命」を遂行するにあたって、「日本式」トイレに対する関心は大きい。

 東京で暮らす中国人留学生の斉さんは、「日本の公衆トイレの第一印象は、とにかくきれいで明るく、無臭。第二印象は思いやり」と話す。トイレットペーパーが常備されているだけでなく、予備も置かれている。

「日本に来てから、ポケットティッシュを持ち歩かなくなった」と斉さん。女性用トイレの個室に幼児用の椅子が設置されていることは珍しくないし、おむつの自動販売機が設置されている場合もある。こうした日本式サービスに、「日本を初めて訪れる外国人はみんな大喜びだ」と斉さんは絶賛する。

 日本での生活が長い横浜国立大学の劉慶彬(Liu Qingbin)副教授は、「日本では、デパートやスーパーなどの商業施設や、駅などの公共交通機関はトイレを自身で設置しており、施設の利用者以外にも一般に開放する。この点は、他国とは大きく異なる。一種のマーケティングの手段なのかもしれないが、もちろん政府が決めた社会的責任でもある」と指摘する。

■日本で「革命」は起きた

 日本のトイレにも「暗黒時代」が存在した。日本の情報を発信しているオンライン雑誌『にっぽにあ』17号では、1980年代以前の日本の公衆トイレは、長い間整備されないままになっており、「汚い、暗い、臭い、怖い」という印象が強かったと紹介されている。

 日本の公衆トイレがきれいになったのは、80年代に入ってからだ。きっかけは、経済的に豊かになった人々から、公共施設をより快適に使いたいという要望が高まり、公衆トイレは汚い公共施設の代表格として矢面に立たされた。当時の日本の新聞各紙は公衆トイレの立ち遅れを猛批判し、「トイレは社会文明の尺度」であると訴えた。それから日本各地の自治体が次々と公衆トイレの整備を重要事項に盛り込んだ。