【2月9日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のクリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)はトレード期限の8日、アイザイア・トーマス(Isaiah Thomas)をロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)に放出した。このトレードでレイカーズは、レブロン・ジェームズ(LeBron James)獲得の可能性に布石を打った形となった。

 レイカーズはジョーダン・クラークソン(Jordan Clarkson)とラリー・ナンス・ジュニア(Larry Nance Jr.)を放出し、トーマスとチャニング・フライ(Channing Frye)を獲得。さらにキャバリアーズが持つ2018年のドラフト1巡目指名権を手に入れた。

 このトレードはレイカーズにとって重要な意味を持っている。サラリーキャップに空きができたことにより、今夏にフリーエージェント(FA)となるジェームズの獲得が可能となったのだ。レイカーズは、オクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)のポール・ジョージ(Paul George)もターゲットにしている。

 レイカーズのマジック・ジョンソン(Magic Johnson)球団社長は報道陣に対し、今回のトレードはチーム再建への道に重要なステップだと話している。

「レイカーズの現在と未来のためにこの取り引きを実現させなければならなかった。私は組織の柔軟性を作り出すためにここに来た。いつかスーパースターがここに来て、チームの核となる若手とともにプレーする」

 トーマスは2017年、カイリー・アービング(Kyrie Irving)とのトレードによりボストン・セルティックス(Boston Celtics)からキャバリアーズに移籍。しかし臀部(でんぶ)の負傷により開幕後2か月戦列を離れるなど、新天地で地位を固められずにいた。

 7日にトーマスは報道陣に対し、キャリア4度目の移籍でキャバリアーズを離れたくはないと話していた。

 キャバリアーズが勝利したミネソタ・ティンバーウルブズ(Minnesota Timberwolves)戦後に「トレードされることに疲れている」とコメントしたトーマスは、さらに「それはいいことではないよ。だが自分は純粋に求められる場所にいたい。ここが気に入っている。思い描いていた通りになっていないが、絶対にここにいたい。僕たちにはNBAチャンピオンになる大きなチャンスがある。その一部になりたいんだ」と語っていた。

 レイカーズでトーマスは、ルーキーのロンゾ・ボール(Lonzo Ball)とバックコートでタッグを組むことになるが、両選手ともに定位置はポイントガードとなっている。

 レイカーズのルーク・ウォルトン(Luke Walton)HCは、トーマスについて「彼は素晴らしい選手だ。まだけがから回復途中なので、良くなるにはコート上で過ごす時間が多い方がベターだろう」と話している。

 なお、キャバリアーズはトレード期限日の同日、ドウェイン・ウェイド(Dwyane Wade)を古巣のマイアミ・ヒート(Miami Heat)に放出し、ヒートが持つプロテクト付ドラフト2巡目指名権を得ている。

 キャバリアーズはユタ・ジャズ(Utah Jazz)からロドニー・フッド(Rodney Hood)、サクラメント・キングス(Sacramento Kings)からジョージ・ヒル(George Hill)を獲得。

 ジョー・ジョンソン(Joe Johnson)とイマン・シャンパート(Iman Shumpert)をキングスに放出すると、ジェイ・クロウダー(Jae Crowder)とデリック・ローズ(Derrick Rose)をジャズにトレードするなど、ロースターに大きくてこ入れをし不振からの脱却を図っている。

 トレードで大幅にチームを入れ替えたものの、これでジェームズにキャバリアーズ残留を納得させられるか否かには議論の余地がある。(c)AFP