【2月9日 AFP】英ロンドンのビクトリア時代に造られた下水管で昨年見つかった重さ130トン、長さ250メートルもの油脂の塊の一部が9日、ロンドン博物館(Museum of London)で公開される。胃の強い歴史愛好家にはおすすめの展示だ。

 下水管を詰まらせる油脂の塊は氷山(アイスバーグ)になぞらえて「ファットバーグ」と呼ばれるが、今回の塊はその怪物級の大きさから「モンスターファットバーグ」と呼ばれている。

 見つかったのは、ロンドン東部ホワイトチャペル(Whitechapel)の幹線道路の下を走る下水管。食用油脂とティッシュペーパーが混ざり合って岩のように硬くなった塊について、水道大手テムズ・ウォーター(Thames Water)廃棄物部門のマット・リマー(Matt Rimmer)部長は当時、「まさにモンスターで、あまりに硬くこびり付いているため、除去作業に多大な人手と機材を要している」「要はコンクリートを壊そうとしているようなものだ」と話していた。

 また、今回の展示は博物館のスタッフたちにとってもめったにない挑戦となった。

 博物館で資料の保存や管理を担当するシャロン・ロビンソンカルバー(Sharon Robinson Calver)氏は、「入手したファットバーグのサンプルには、皮下注射針やコンドーム、衛生用品が含まれるかもしれず、間違いなく病気をまん延させる恐れがある」「展示する際に安全性を確保することが、与えられた途方もない課題だ」と話した。(c)AFP