【2月9日 AFP】開幕を9日に控えた平昌冬季五輪の競技会場がある韓国・江陵( Gangneung)で8日、北朝鮮が派遣した「三池淵管弦楽団(Samjiyon Orchestra)」が公演を行った。チケットは完売となった一方、会場付近では韓国人活動家らによる抗議デモも行われた。

 北朝鮮に不信感を抱く韓国国民がいる一方、同楽団の公演のチケットは人気を博し、全530組の定員に対して15万6000人が応募。会場の江陵アートセンター(Gangneung Art Centre)では、観覧客が長蛇の列をつくった。夫と共に訪れた女性は、「統一が実現しない限り、人生で一度きりの機会になると思う」と語った。

 一方、会場付近では「平壌五輪反対!」と記したプラカードを掲げて抗議デモを行う人々も見られた。9日の五輪開会式では、両国の選手団が青と白の「統一旗」を掲げて行進する予定だが、デモ参加者は「われわれの五輪なのに韓国国旗を振ることができない」などと語り、先月になって参加を決めた北朝鮮によって五輪が乗っ取られてしまったと主張している。

 同楽団は総勢約140人で6日に韓国入りしていた。8日の初回公演を終えた一行は、11日の公演のため首都ソウルに向かう。(c)AFP