【2月8日 AFP】(更新)米中央軍(CENTCOM)は7日、シリアでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討作戦を遂行中の米主導の有志連合軍が、東部デリゾール(Deir Ezzor)県で自衛のためシリア政権側の部隊に対する空爆を行ったと発表した。米軍によると、この空爆により政権側の戦闘員100人以上が死亡したと推定されるという。

 有志連合軍は、クルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」と共に、ユーフラテス川(Euphrates River)東岸からISを掃討する作戦を行っている。

 CENTCOMの声明によると、7日に「シリア政権側の部隊がSDFの本営を一方的に攻撃してきた」という。このとき「有志連合の助言・支援部隊は、ユーフラテス川沿いに設置された『衝突回避線』から約8キロ東にSDFの部隊と共に配置されていた」が、「ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)掃討作戦に参加しているパートナーへの攻撃を退けるため、攻撃してきている部隊に空爆を行った」という。

 米軍当局は「推計でシリア政権側部隊100人以上が殺害された」としている。

 ユーフラテス川沿いではロシア軍がシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権軍を支援しているが、米・ロシア両政府は、ロシア軍がユーフラテス川西岸にとどまることで口頭合意している。

 CENTCOMの声明は「シリア政権側」という表現を使っており、攻撃してきたのがシリア政府軍だったのか、ロシア軍がいたのかは特定していない。シリアではここ数か月、作戦地域が限定されるにつれてこうした事例が増えている。(c)AFP