【2月7日 AFP】英自然史博物館(Natural History Museum)とロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London)の共同研究チームは7日、1万年前に現在の英国に住んでいた古代民族の男性の人骨からDNAを抽出・分析した結果、この民族の肌が浅黒く、目は青かったことが判明したと発表した。

 1903年に洞穴で人骨が発見されたこの男性は、洞穴のあった英イングランド南西部の地名から「チェダーマン(Cheddar Man)」と呼ばれている。今回、この人骨を使った初の完全なDNA分析が行われ、この男性の容姿を現代によみがえらせる作業が行われた。

 共同研究チームはチェダーマンの頭蓋骨に2ミリの穴を開け、抽出した骨粉からDNAを分析。これまでの見解ではチェダーマンの目は茶色く、肌は色白だったとみられていたが、そうした仮説を覆す結果となった。

 自然史博物館の関係者は、「1万年前の古代民族がとても青い目でありながら肌は浅黒いという組み合わせだったことは非常に驚きだ」と述べている。

 今回発表された研究結果は、欧州北部の人々の肌が白くなったのは、これまで考えられていたよりも最近であることを示唆している。

 チェダーマンの部族は氷河期の末期に現在の英国に移動して来たものとみられており、そのDNAは現代のスペイン、ハンガリー、ルクセンブルクで見つかった人骨と関連があることが分かっている。(c)AFP