【2月7日 AFP】東南アジア諸国連合(ASEAN)は6日、議長国シンガポールで加盟10か国の外相会合を開き、会合後に発表した声明で中国を名指しはしていないものの、同国が南シナ海で埋め立てを継続していることで領有権を争う国々の間で信用が損ねられ、地域的な緊張を高める恐れがあるとの考えを表明した。

 シンガポールのビビアン・バラクリシュナン(Vivian Balakrishnan)外相は声明で、会合では「当該地域での埋め立てなどについて一部の外相が懸念を示した」と言及。「こうした行為は同地域での信頼や信用を失墜させて緊張を高め、平和や安全保障、安定を損ねかねない」と述べた。

 昨年12月、米国のシンクタンクが中国が南シナ海で係争中の人工島でレーダーなどを配備しているとする新たな衛星画像を発表すると、中国側は同島での着工作業は「正常」だと正当化した。

 中国は昨年のASEANとの会合後、策定が大幅に遅れている南シナ海における「行動規範」についての話し合いに同意したが、バラクリシュナン外相はこの話し合いは「複雑な交渉」になるだろうと指摘。行動規範がまとまったからといって領有権をめぐる主張が解決するわけではないと指摘した。

 ASEAN外相はまた、テロ対策についても合同警備や情報共有などによって連携を強化することで合意したと共同声明で明らかにした。(c)AFP