【2月7日 AFP】MotoGPクラスなどのロードレース世界選手権(WGP)の商標権を持つドルナスポーツ(Dorna Sports)は6日、電動バイクで争う新たな大会「FIM MotoE World Cup」を2019年から開催すると発表した。

 国際モーターサイクリズム連盟(FIM)のビト・イッポリト(Vito Ippolito)会長は「新たな時代の幕開けだ」と話し、何年かのテストを経て「かなり具体的な段階までたどり着いた」と続けた。

 大会は伊電力大手のエネル(Enel)が筆頭スポンサーを務め、選手は全員、ミシュラン(Michelin)のタイヤをはいた同じマシン「エネルジカ・エゴ(Energica Ego)」でレースに臨む。147馬力を誇るエネルジカ・エゴは、わずか3秒で時速100キロに到達し、最高速度は時速250キロとなっている。

 MotoGPクラスの参戦経験もあるイタリアのロリス・カピロッシ(Loris Capirossi)氏は、「すごく良いよ。新感覚だ。膝が路面をかすめる音さえ聞こえる。重みはあるけど、実際の重量は(電気駆動で)軽いから小回りが利くし、直線ではパワーが出せる」と感想を口にした。

 ドルマスポーツのカルメロ・エスペレータ(Carmelo Ezpeleta)最高経営責任者(CEO)は「大会は伝統のMotoGPクラスと並行して開催されるから、最大限の露出が見込める」と話している。

 大会にはGPシリーズに参戦中の11チームから計18台が参戦し、MotoGPクラスの7チームが2台ずつ、Moto2クラスとMoto3クラスの4チームは1台ずつを送り込む。開幕年となる19年シーズンは、MotoGPのシリーズが行われる欧州のサーキットで、5大会が行われる予定となっている。

 フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)はすでにF1の電動マシン版である「フォーミュラE(Formula E)」を立ち上げ、徐々に人気を高めているが、WGPも5年遅れで同様の大会をスタートさせることになった。(c)AFP