【2月6日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、第52回スーパーボウル(Super Bowl LII)を制したフィラデルフィア・イーグルス(Philadelphia Eagles)のセーフティー、マルコム・ジェンキンス(Malcolm Jenkins)が5日、少なくともチームメート2人と同調し、ホワイトハウスへの表敬訪問をボイコットする意向を明らかにした。

 イーグルスが41-33でニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)に番狂わせを演じた前日のスーパーボウルで、守備の要として活躍したジェンキンスは、これまでもドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を痛烈に批判しており、この日はCNNに対して、「個人的には表敬訪問に出席するつもりはない」とすると、「一年を通して、自分のメッセージは明確にしてきた」と語った。

「この国の刑事司法制度が変わる姿を見たい。有色人種や低所得者のコミュニティーが経済面と教育面で前進するように、私たちが後押しできることを望んでいる。それと、われわれのコミュニティーと警察との関係が前に進む光景も見たい。それがこの2年間、自分やチームメートたちが推し進めてきたことであり、これからも続けていくつもりだ」

 イーグルスでは他に、DEクリス・ロング(Chris Long)とWRトレイ・スミス(Torrey Smith)の2人がホワイトハウスを訪問しない意向を示している。特に32歳のロングは昨年、ペイトリオッツの一員としてスーパーボウルを制したものの表敬訪問を拒否。今年は全給与をチャリティーに寄付するなど、チームメートとともに社会的不正に抗議する活動の支援を表明して話題となっている。

 今季のNFLでは、主にアフリカ系米国人の選手が警察官の暴挙や人種差別に抗議して国歌「星条旗(The Star-Spangled Banner)」の演奏時に膝をつく運動を繰り広げ、トランプ大統領との対立を深めた。

 4日の試合前には、同大統領が「このような機会を可能にしてくれる人々、特に軍に所属する勇敢な男性と女性に向けて」感謝の意を表し、「彼らの姿を心に抱き、われわれが自由であることを感謝しながら、国歌では誇りをもって起立する」と間接的に選手に警告するような声明文を出していた。

 結局、ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で試合前に行われたポップ歌手のピンク(P!nk)による国歌斉唱で膝をついた選手はおらず、トランプ大統領も試合後「素晴らしいスーパーボウルで勝利を収めたフィラデルフィア・イーグルスにおめでとう!」と、イーグルスをツイッター(Twitter)で祝福した。(c)AFP