【2月2日 AFP】中米グアテマラ北部の深い密林の下に、古代マヤ文明の何万もの建造物が眠っていることが、高性能のレーザースキャナーを使った上空からの調査で明らかになった。専門家らが1日、発表した。

 この研究で中心的役割を果たしている、米テュレーン大(Tulane University)の考古学者マーセロ・カヌト(Marcello Canuto)氏によると、メキシコおよびベリーズとの国境に接するペテン(Peten)県内で過去2年にわたって行われたスキャン調査により、約6万の建造物が見つかったという。

 カヌト氏によると、新たに発見された建造物には歩道を備えた都市の中心機構、家屋、儀式用の施設、かんがい用水路、要塞(ようさい)などが含まれ、同氏は一連の発見を「マヤ考古学研究における革命」と評価している。

 古代マヤ文明の都市遺跡であり、グアテマラの重要な考古学的遺産であるティカル(Tikal)では、これまで自然の丘とみなされていた場所に高さ30メートルのピラミッドが存在することが判明。また連続した穴や、長さ14キロの壁も見つかった。

 今回の研究では、遠距離から物体を感知する「ライダー(LIDAR)」と呼ばれるレーザー光走査技術を活用。この技術により、従来の考古学的手法に比べてずっと迅速な遺跡の発見につながったという。カヌト氏は、「密林の下に何があるかを見るために、密林を切り開く必要はもはやない」と話している。

 マヤ文明は西暦250年から950年にかけて、今日のメキシコ南部やグアテマラに加え、ベリーズやエルサルバドル、ホンジュラスの一部に当たる地域で繁栄を謳歌(おうか)した。(c)AFP