【2月2日 AFP】(更新、写真追加)南アフリカの金鉱山で、暴風雨のため停電が発生し、作業員950人余りが坑内に約30時間にわたって閉じ込められた。鉱山会社は2日、電力の復旧に成功し全員が無事地上に生還したと発表した。脱水や高血圧の症状が一部でみられるものの、心身への深刻な健康被害はないとしている。

 停電が起きたのは、鉱山会社シバニェ・ゴールド(Sibanye Gold)が最大都市ヨハネスブルクの南西290キロに所有するベアトリクス(Beatrix)金鉱山。暴風雨の影響で大規模停電が起き、エレベーターが動かなくなったため、夜勤の作業員が1月31日夕方から丸1日以上にわたって地下から出られなくなった。

 広報担当者は1日、ケーブル1本を復旧して作業員272人を救出したが、その後も955人が坑内に閉じ込められたままだと発表。作業員らは坑道内に設けられた換気設備のある待機所にいて、水や食料の差し入れも行っており、現在のところ体調に問題はないと述べていた。

 この担当者によると、作業員らが閉じ込められた地点の深さは不明だが、ベアトリクス鉱山は23層から成り、最深部は地下約1000メートルに達するという。

 鉱山労働者・建設組合連合(AMCU)は、坑内の作業員らの健康と安全が大いに脅かされていると指摘。巻き込まれた人数からみれば重大な事故だとの見方を示していた。(c)AFP/Béatrice DEBUT