【2月1日 AFP】フォルクスワーゲン(VW)などドイツ自動車大手3社がディーゼル車の排ガスを人やサルに吸わせる実験に出資していた問題で、独大衆紙ビルト(Bild)は31日、サルへの健康被害が予想より大きかったことから、VWが実験結果の隠蔽(いんぺい)を試みていたと報じた。

 問題の実験は、VWのディーゼル車「ビートル(Beetle)」の排ガスが米フォード・モーター(Ford Motor)のピックアップトラック旧モデルよりも健康への害が低いこと示す目的で、サル10匹を対象に行われた。だが同紙によると、その結果が「あまりにも壊滅的」だったために「公表しないもの」とされた。

 人やサルを対象とした排ガス吸引実験は、VW、ダイムラー(Daimler)、BMWの3社が出資していた研究団体「運輸部門における環境と健康に関する欧州研究グループ(EUGT)」(現在は解散)の委託で行われていたもので、その存在が明らかになると非難の嵐が巻き起こった。

 VWは30日、同社のトーマス・シュテグ(Thomas Steg)チーフロビイストを停職処分とし、問題の実験は「非倫理的で不快」であると表明。ダイムラーは31日の声明で、EUGTの理事を務めていた職員に停職処分を科したと発表した。(c)AFP/Frank ZELLER with Tom BARFIELD in Frankfurt