【2月1日 AFP】火山の噴火によってフィリピンでは集団避難を迫られ、日本では1人が死亡した。太平洋の反対側では米アラスカでマグニチュード(M)7.9の大規模地震が発生した。一体、これらにつながりはあるのだろうか。いわゆる環太平洋火山帯で起きている一連の火山活動は、人の命に関わる大規模な火山噴火や地震が近づいているのではないかとの懸念を呼び起こしている。専門家らの意見を聞いてみた。

■火山活動はどこで起きている?

 最近起きている火山噴火や地震は、環太平洋火山帯という名で知られる太平洋をぐるりと囲む火山帯で起きている。インドネシアから南米チリまで4万キロにわたって弧を描いているこの火山帯には、世界でも有数の火山が集中しており、また地震の圧倒的多数がここで起きている。

■今なぜ地震や噴火が?

 環太平洋火山帯沿いでは実は毎日のように地震が起きている。だが、ここへ来て一連の地震や噴火が起き、国連国際防災戦略事務局(UN Office for Disaster Risk Reduction)がツイッター(Twitter)の公式アカウントに環太平洋火山帯が「活発化」していると投稿するなど、地震の発生頻度は高まっていると言われている。

 一方、東海大学海洋研究所(Tokai University / Earthquake Prediction Research Center)の長尾年恭(Toshiyasu Nagao)所長は「環太平洋では現在、活発化してると言える」 と述べつつ、「しかし火山を長い時間軸で考えれば、この状態が正常だと言える」とAFPに語った。

■一連の噴火や地震に関連性は?

 最近の噴火や地震が目を引くものだったため、「連鎖反応」が起きるのではないかという臆測も呼んでいる。だが、環太平洋火山帯の動きはそう単純ではないと専門家らは指摘する。

 東京大学(University of Tokyo)地震研究所(Earthquake Research Institute)の青木陽介(Yosuki Aoki)助教は「それぞれの火山活動に関連性はなく」、「火山活動は活発な時期とそうでない時期を繰り返すわけで、その一環だ」と主張。「何かおかしなことが起きているという感じではない」と述べた。