【1月31日 AFP】サウジアラビアで行われたラクダの品評会で、およそ14頭がボトックス注射や美容整形を受けていたことが判明し、主催者側がこの行為を禁止するとともに、これらのラクダを失格処分としていたことが明らかとなった。この品評会ではラクダの唇の膨らみや均整のとれたこぶの美しさを競い、評価の高いラクダは破格の金額で取引されるという。

 問題が発覚したのは「アブドルアジズ国王ラクダ・フェスティバル(King Abdulaziz Camel Festival)」。サウジアラビア王家が後援する毎年恒例の遊牧民によるラクダのコンテストで、中東諸国一帯の飼育業者が最大5700万ドル(約62億円)もの賞金を目当てに集結する。

 今年はラクダ3万頭ほどが参加したが、品評会の主催者側は美容整形などの不正行為に厳しく対処している。違反者には厳しい罰則があるものの、評価の高いラクダに莫大な金銭がつぎ込まれる中、不正がはびこっているという。

 ラクダのふんだらけの会場で採点をしていた審査員の一人は「高いラクダを買えない飼育業者もいる」と述べ、「そういった業者はあまりみかけの良くない安いラクダを買い、人工的に美しくしようとする。われわれはそのような不正を取り締まっている」と語った。

 ラクダの品評会で勝つために大切な資質は垂れた唇、長い首、絶妙な位置にあるこぶだという。(c)AFP/Anuj Chopra