【1月31日 AFP】英中部マンチェスター(Manchester)で昨年にコンサート会場が自爆攻撃を受けて22人が死亡した事件の際、被害者らを介抱したとして「英雄」と称賛されたホームレスの男が、実際は被害者らの所持品を盗んだとして訴追された裁判で30日、男に禁錮4年3月の刑が言い渡された。

 クリス・パーカー(Chris Parker)被告(33)は2017年5月に発生した自爆攻撃事件の際に被害者数人を助けたと主張していたが、法廷で公開された監視カメラの映像には、パーカー被告が、瀕死(ひんし)の状態で横たわっている14歳の少女の祖母の財布を調べる様子が映し出された。

 パーカー被告は後に盗んだカードをファストフード店で使用したと認めた。

 デビッド・ヘルナンデス(David Hernandez)判事は判決を言い渡す際、パーカー被告に対し「あなたは、あなたが装おうとしたような英雄ではない、ただの泥棒だった」、「これ以上非難されるべき状況は他に思いつかない」と述べた。

 事件直後には、パーカー被告のためにウェブサイトにクラウド募金が開設され、5万ポンド(約770万円)を超える寄付金が集まったが、募金はすべて支援者に返金される予定だという。(c)AFP