【1月31日 AFP】オランダの著名なフローニンゲン大学(University of Groningen)は30日、中国・山東(Shandong)省にサテライトキャンパスを設立する計画を中止すると発表した。この計画を巡っては教育の自由が抑制されることへの懸念が持ち上がっていた。

 フローニンゲン大学の広報担当者は、理事会で過半数の賛成が得られなかったため、中国・山東省煙台(Yantai)におけるサテライト校の設立計画を中止することを決定したと説明した。

 計画に対しては、同大学の職員らと学生が代表を務める団体の双方が反対を表明していた。

 一方で広報担当者は、国内メディアがサテライト校の責任者に中国共産党の高官が任命され、中国政府による干渉が懸念されると報じたことには失望感を示し、「教育の自由は本校の基本原則であり、それが保証されることは中国の提携先や中国政府と完全に合意していた」と述べた。

 しかし、全国規模の学生団体の代表はAFPに対し、責任者に中国共産党の高官が任命されることが主要な懸案事項のひとつだと述べている。

 また、フローニンゲン大学で最大の学生団体の代表者は、煙台のキャンパスの学力水準がオランダの本校の水準に満たない可能性が懸念されたため、反対票を投じたと明らかにした。(c)AFP