【1月31日 AFP】米統合参謀本部(Joint Chiefs of the Staff)のポール・セルバ(Paul Selva)副議長(大将)は30日、北朝鮮は核ミサイル計画で新たな進展を見せているものの、米国攻撃に必要なすべての技術を実証していないと述べた。しかし米中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)長官は、北朝鮮が米国への攻撃が可能な核ミサイルを配備するまでの期間は「ほんの数か月」との見方を示した。

 北朝鮮が米本土に到達可能なミサイルを保有していることは実証されている。しかしセルバ副議長は記者団に対し、「彼ら(北朝鮮)は一定の進展は見せているが、大陸間弾道ミサイル(ICBM)システムのすべての要素技術を実証してはいない」と述べ、実証されていない技術としてICBMの飛行に耐え得る起爆装置と誘導システムを挙げた。

 北朝鮮が宇宙から大気圏内に再突入して弾頭を運搬する再突入ビークルを保有しているのかもはっきりとは分かっていない。

 セルバ副議長は、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が再突入ビークルを手にする可能性はあり、そのような事態に備えなければならないと述べたが、「まだ彼(金正恩氏)はそれを実証していない」と語った。

 セルバ副議長によると、北朝鮮は偵察衛星が上空を通過するタイミングを予測してミサイルをカムフラージュするのが非常にうまくなってきているという。また、北朝鮮はミサイルを発射台に乗せる新しい手法を開発したため、以前はミサイル発射の1時間前に警告を出せていたが、今では12分前になるまで分からないと明らかにした。

 一方、ポンペオCIA長官は英BBCのインタビューで、北朝鮮が核による米国攻撃能力を持つまでの期間は「ほんの数か月」だと述べ、北朝鮮は急速に実戦配備可能なICBMの取得に近づいていると警告した。(c)AFP