【1月30日 AFP】100年に一度の大干ばつに見舞われている南アフリカ・ケープタウンでは、深刻な水不足により水道水が供給されなくなる危機に直面し、夏の猛暑の中で住民は厳しい試練を強いられている。

 ケープタウン周辺の貯水池は、3年以上、十分な降雨に恵まれず、干上がる寸前だ。いわゆる「ゼロ・デー」には、通常の水の供給が停止し、水道からは水が一滴も出なくなることが予想される。同市の水の消費量は2016年は1日当たり推定11億リットルだったが、現在はその半分近い5億8600万リットルにまで減少。最近発表された予測によると、水道水の供給停止は4月12日ごろの見込みで、危機感を募らせた当局が市民に節水を呼び掛けたものの水の過剰消費が続き、市民が毎日5億リットル以上の水を消費し続けることで、ゼロ・デーは確実に早まりつつある。

 南アフリカの水利用に関する啓発キャンペーン「ウォーターワイズ(WaterWise)」によると、水の消費量は一般的なシャワーでは1分当たり15リットル、標準的なトイレでは1回水を流すごとに最大15リットルとされる。市民は現在、節水のため1日わずか87リットルの水しか使用を認められていないが、2月1日からはさらに50リットルに制限される予定だ。

 市民400万人は、市内200か所に設けられた給水所で1日わずか25リットルの水の配給を受けることを余儀なくされる。25リットルでは、通常時に2分間のシャワーを浴びる量にも満たない。

 各給水所では約5000世帯分を賄うことになっており、列に並ぶ人々の間でもめ事が起きた場合に備えて、警察や軍が配備される予定となっている。

 2010年サッカーW杯(2010 World Cup)の試合会場となった市内の競技場に近いムーユポイント(Mouille Point)にあるメトロポリタン・ゴルフクラブ(Metropolitan Golf Club)のファレル・コーエン(Farrel Cohen)支配人はAFPの取材に対し、ケープタウンにとってゼロ・デーが何を意味するか「考えるだけでも恐ろしい」と話した。

「どうなるか誰にも分からない。市民は水を買いにスーパーマーケットに走っている」