【1月30日 AFP】台湾国防部(国防省)は30日、2月中旬から始まる春節(旧正月、Lunar New Year)を前に、外部からの侵攻を想定した軍事演習を行った。台湾にとって最大の脅威である中国が蔡英文(Tsai Ing-wen)総統に対する圧力を強めており、また中国が新たに設定した航空路をめぐっても中台の対立は深まっている。

 国防部は演習が中国による侵攻を想定したものかどうかは明確にしなかったが、「台湾海峡(Taiwan Strait)の平和と国家の安全を保護する決意」を示すことが目的だと述べた。

 蔡氏は先月、2016年5月に自身が総統に就任して以来、中国政府が台湾周辺における空軍と海軍の演習を増加させていることについて「軍事拡張」だと警告。また、中国が台湾海峡上空に新航路を設定したことも新たな火種となっている。

 台湾の軍事演習は春節前に毎年実施され、防衛力に対する民衆の信頼を高める狙いがある。

 台湾軍の高官はAFPに対し、「市民が春節を安心して過ごせるよう、われわれは24時間体制で待機し、警戒に当たる」と語った。(c)AFP