【1月27日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)の男子シングルスで決勝進出を決めた大会第2シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は26日、自身との準決勝をけがで途中棄権した韓国のチョン・ヒョン(Hyeon Chung)について、将来のトップ10選手として称賛した。

 大会連覇を目指すフェデラーが6-1、5-2でリードしていた場面で、チョンは足の水膨れが悪化して途中棄権し、前途有望なスター選手として名乗りを上げた今大会での快進撃に終止符を打った。チョンは、4回戦で撃破した四大大会(グランドスラム)通算12勝を誇るノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が故障を抱えてベストの状態でなかったとはいえ、3回戦ではそれまで絶好調を維持していた第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)からも金星を飾った。

 20年間にわたりトップに君臨し、大勢の選手が現れては去っていったのを見届けてきたフェデラーは、21歳の新鋭について、「彼はすでに素晴らしい選手だと思うが、次のレベルにまで到達できるはずだ。さらなる活躍が期待できる。トップ10入りは確実だ」と称賛を惜しまなかった。

 自身30回目のグランドスラム決勝で通算20個目のメジャータイトル獲得を目指すフェデラーはまた、「公平性を欠く」としてチョンに過度の重圧や期待はかけたくないとしながらも、「これからたくさんの成功を収めるだろう。どの舞台でどれほど勝つかはお楽しみだ」と語った。

 韓国勢として初めてグランドスラム4強入りを果たしたチョンの予想外の快進撃により、母国での人気はゴルフや野球にははるかに及ばないテニスに新たなファンを引きつけている。さらにテレビ中継では高視聴率をたたき出し、テニス用品の売り上げも伸びており、母国へ凱旋(がいせん)した際にチョンの知名度や収入額は大会前より上がっているに違いない。

 トレードマークである白いフレームの眼鏡にちなんで「教授」というニックネームを持つチョンは、途中棄権の理由について足の水膨れで「皮がむけて赤く」なったためと説明。最後は期待外れの結果になったものの、自分にとって今大会は良い経験になり、フェデラーと同じコートに立ったことは「本当に光栄だった」と語った。

「全豪での2週間はコートの内外で楽しめた。とにかくうれしい。この2週間は本当にプレーの調子が良かった。ベスト16入りも準々決勝も初めてだったし、サーシャ(アレクサンダー・ズベレフ)やノバク、ロジャーとも対戦した。本当に素晴らしい経験になった」

「これからもっと良いプレーができると思う」と語ったチョンは、今大会で得た収穫の一つは自分に自信を与えられたことだとして、「大きな自信になった。この2週間は良い選手とたくさんプレーできた。ロジャーのような偉大な選手とコートに立っても、前より肩の力を抜いてプレーできている」と話した。(c)AFP