【1月26日 AFP】中国の首都北京にある大学の学生4人が、月面での生活を模擬実験する施設内で200日間の連続滞在を無事完了した。国営メディアが26日、報じた。中国は、有人月面着陸という長期目標を掲げて準備を進めている。

 国営新華社(Xinhua)通信が伝えたところによると、実験への参加を志願した学生4人が滞在していたのは、北京航空航天大学(Beihang University)の構内に設けられた160平方メートルの実験室「月宮1号(Yuegong-1)」。自給自足が可能な密閉された空間で人間が生活する能力の限界を調査する狙いがある。

 4人は長期間にわたる宇宙滞在を模擬実験するため、外界との接触を一切断った状態で、この閉め切られた実験室での生活を続けた。

 この実験室の主任設計者である劉紅(Liu Hong)氏は新華社に対し、特に実験室が予期せぬ停電に見舞われた際などは、被験者らの限界が試されたと語った。

 実験室内には、排せつ物を微生物で分解する設備が設けられ、その副産物を利用して実験的に穀物や野菜などが栽培された。

「月宮1号」には、植物栽培室2室に加えて、42平方メートルの居住区画があり、4つの寝室の他、共有部屋と浴室、廃棄物処理室、動物飼育室がそれぞれ1室ずつ設けられている。(c)AFP