【1月26日 AFP】米最大のプロレス団体WWEの最高経営責任者(CEO)を務めるビンス・マクマホン(Vince McMahon)氏が25日、2020年から8チームによる新たなアメリカンフットボールのリーグを発足させ、選手には国歌演奏での起立を義務づけると同時に、競技を通じて社会問題に訴えることを禁止する計画を明らかにした。

 米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は現在、リーグ史上最も騒動が長引いたシーズンの終盤を迎えている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は昨年9月、社会的不正に抗議して国歌演奏時に膝をつく選手を「クソ野郎」と呼び捨てて解雇すべきだと主張すると、選手に起立することを義務づける規則の導入を拒否したNFLに対しても、激しい批判を繰り広げた。

 72歳のマクマホン氏は、2001年に1シーズンだけ行われたXFLを復活させる宣伝文句として、「人が見たいと思うすべてものをすべて提供し、人が見たくないと思うものはすべて排除する」と話し、政治とは切り離されたものになると述べた。

「トランプ大統領が、このリーグを支持するかどうかは分からない。われわれのリーグに関しては、政治と社会問題には無関係であると言わせてもらう。フットボールをプレーするために存在するのだ。われわれは素晴らしいフットボールを望んでいる。それはファンも同じ気持ちだ」

「チャンネルを合わせた時に、ファンが社会問題やそういう類いの物事と向き合うことを望んでいるのか疑問だ」

 リーグ規則には選手に起立を義務づけることが明記されるのか問われると、マクマホン氏は「選手全員が規則を理解できるようにするルールブックを用意する」とすると、「それらの規則には全員に従ってもらう。国歌は昔から現在まで行われている伝統であり、わが国では何年も続けられているというのが私の考えだ。つまり、リーグ規則は何であろうとも、選手には従ってもらうことになる」と述べた。

 マクマホン氏はまた、犯罪歴がある選手のリーグ参加を禁止するとしており、「人間としての資質が重要だ。世間は犯罪とは無関係の人材を求めるものだ。XFLでは、DUI(飲酒または薬物使用時の運転)を犯した者はプレーを認めない」と語った。(c)AFP