【1月26日 AFP】米外交政策の重鎮ヘンリー・キッシンジャー(Henry Kissinger)元国務長官(94)が25日、米上院の公聴会で証言し、北朝鮮が世界の安全保障に対する最も差し迫った脅威で、同国の非核化が米外交政策の「欠かせない」達成目標だと強調した。

 キッシンジャー氏は、北朝鮮の核開発を阻止することができなければ、アジアで新たな軍拡競争が起きる恐れがあると指摘。軍事衝突に突き進むことには警鐘を鳴らしたものの、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)政権への圧力については支持した。

 公聴会には、リチャード・アーミテージ(Richard Armitage)元国務副長官(72)やジョージ・シュルツ(George Shultz)元国務長官(97)ら外交政策の重鎮が出席した。

 アーミテージ氏は、「残念なことに米国の外交政策は一貫性が欠如しており、米国の世界での役割について不透明感が出ている」と述べ、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権による国際的な脅威への対応を非難した。

 一方、シュルツ氏は、テクノロジーの利用で兵器が小型化・自動化すれば大混乱を引き起こしかねないと述べた。

 公聴会では、この他に核の拡散や中国の独裁体制、ロシアの米大統領選への介入などについても証言が行われた。(c)AFP/Michael Mathes