【1月26日 AFP】英国で1年間に消費されるサンドイッチの二酸化炭素(CO2)排出量は、自動車800万台分の年間CO2排出量を上回るとする研究結果が25日、発表された。

 英国サンドイッチ協会(BSA)によれば、英国では毎年約115億個のサンドイッチが消費され、自家製と店売りが半々だという。このデータに基づくと、サンドイッチの消費に伴うCO2排出量は年間平均950万トンとなり、自動車860万台を1年間使用したときの排出量に相当すると、研究を行った英マンチェスター大学(University of Manchester)のアディサ・アザパギッチ(Adisa Azapagic)教授は指摘している。

 研究チームでは、サンドイッチの具材40種類について、原材料調達から廃棄・リサイクルまでに排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算した「カーボンフットプリント(CFP)」を調べた。

 最もCO2排出量が多かったサンドイッチは、ベーコンやハム、ソーセージなど豚肉を使った工場生産品で、2番目はチーズやエビを挟んだ店売りのサンドイッチだった。

 レシピ別では、卵とベーコン、ソーセージを挟んだ「オールデーブレックファースト」サンドイッチのCO2排出量が最大で、車1台が19キロ走行した時の排出量に相当する1441グラムだった。

 一方、最も環境に優しいと判明したのは、ハムとチーズの自家製サンドイッチだった。店頭販売されるサンドイッチは製造、保管、包装、輸送などの工程が大きな環境負荷の原因となっている。

 研究チームでは、レシピや包装の改善や廃棄物のリサイクル、消費期限の延長によってサンドイッチのCFPは半減できると推計。「食品表示を変更し、一般的にかなり慎重な設定となっている消費期限を延ばす必要がある」「サンドイッチが英国の食卓に欠かせない点や、食品部門におけるシェアの大きさを考慮すれば、温室効果ガス排出量にサンドイッチがどれだけ寄与しているかを理解することが重要だ」とアザパギッチ教授は述べている。(c)AFP