【1月26日 AFP】過去の性的スキャンダルが最近再び注目を浴びている俳優ケイシー・アフレック(Casey Affleck、42)が、3月4日に開催される今年のアカデミー賞(Academy Awards)授賞式での主演女優賞のプレゼンターを辞退したことが分かった。主催者の映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)とアフレックの広報担当者が25日、AFPに明かした。

 辞退理由はいずれも明らかにしていないが、アフレックをめぐっては最近、以前セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)で訴訟を起こされたことに改めて注目が集まっていた。

 映画芸術科学アカデミーの広報担当者は「授賞式に集中できるようにする決断と、今年の素晴らしい活動に感謝する」と述べた。

 アフレックは2010年、監督デビュー作となったモキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)映画『容疑者、ホアキン・フェニックス(I'm Still Here)』でプロデューサーを務めたアマンダ・ホワイト(Amanda White)氏と撮影監督のマグダレーナ・ゴルカ(Magdalena Gorka)氏から、繰り返しセクハラを受けたとして訴えられた。

 アフレックは一切やましいことはしていないと強く否定。「ハリウッド(Hollywood)の番犬」の異名を取る著名弁護士マーティ・シンガー(Marty Singer)氏を雇い、両者と示談にこぎつけた経緯がある。和解金の額は公表されていない。

 この2人との訴訟の件は、アフラックが映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー(Manchester by the Sea)』でアカデミー賞主演男優賞を受賞した昨年のアカデミー賞の頃から再びニュースに取り上げられるようになっていた。

 アカデミー賞では、主演男優賞の受賞者が翌年の主演女優賞のプレゼンターを務めるのが伝統になっており、ハリウッドの大物プロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏の疑惑を皮切りに始まったセクハラ告発運動「#MeToo(私も)」の広がりの中で、アフレックの去就に注目が集まっていた。(c)AFP