【1月26日 東方新報】飛行機離着陸時の機内でのスマートフォンやタブレット端末の使用が、中国の航空会社が運航する国内線の機内で全面的に解禁された。今後は特殊な状況を除き、端末を「機内モード」に切り替えるだけで良い。中国東方航空(China Eastern Airlines)、中国南方航空(China Southern Airlines)、山東航空(Shandong Airlines)、アモイ航空(Xiamen Airlines)、春秋航空(Spring Airlines)など大手航空会社がすでに解禁を発表している。

■携帯の電源入れたままで

 機内で端末を使用できることで、最も大きな恩恵を受けたのはサラリーマンやビジネスマンだ。解禁初日に記者と同じ便に搭乗した事務職の柳さんは、飛行機が離陸するなり持参の「iPad(アイパッド)」で資料を作り始めた。柳さんは、「以前だと離着陸の30分前に必ずノートパソコンの電源を落としていました。これであと1時間、資料をたくさん作れますね」と話した。

■機内でWiFi、インターネットに接続可能

 本来は、携帯電話を「機内モード」に切り替えると、4Gのネットワーク機能や通話機能などが自動的に停止し、利用できるのは携帯ブラウザ内にある音楽や写真、動画などオフラインコンテンツのみになる。だが、中国の航空会社の機内では、飛行機が安定飛行に入ると、機内専用のWiFiでインターネットに接続できる。機内専用WiFiには定員制限が設けられており、記者が搭乗した便では、安定飛行に入ってから約20分後には100人の定員に対しすでに96人が利用している状態だった。

■例外は?

 飛行機が離陸を始めるタイミングで、携帯電話を「機内モード」へ切り替えるように客室乗務員が注意喚起していた。もし旅客が不注意にも「機内モード」に切り替えなかった場合、飛行機には一体どのような影響を及ぼすのだろうか。

 中国東方航空傘下の東方航空電子商務の張馳(Zhang Chi)副社長は、「技術面からいうと、機内モードに切り替えなくても飛行機の安全に影響はない。事前に行った劣悪な環境下でのテスト運航でも問題はなかったことから、通常の環境下で機内モードに切り替えず、リスクがあるとしてもこちらで制御できる範囲だ。とはいえ、お客様にはやはり機内の利用規定に従って頂きたい」と説明する。

 例外もある。飛行機側で疑わしい障害電波を受信した場合や、悪天候時などの離着陸に使用する計器着陸システムに携帯電話の電波が影響を及ぼすような場合だ。「計器着陸システムは飛行機側と空港側の電波信号を確保する重要な機能なので、そのような場合は乗務員の指示に従って携帯・電子機器などの電源を切るようご協力をお願いしたい」と張副社長は説明している。(c)東方新報/AFPBB News