【1月25日 AFP】米国野球殿堂(Baseball Hall of Fame)は24日、2018年の殿堂入り選手を発表し、候補資格獲得1年目のチッパー・ジョーンズ(Chipper Jones)氏とジム・トーミ(Jim Thome)氏ら4人が選出されたが、薬物スキャンダルを背負うバリー・ボンズ(Barry Bonds)氏やロジャー・クレメンス(Roger Clemens)氏は落選した。

 ジョーンズ氏とトーミ氏は、ブラディミール・ゲレーロ(Vladimir Guerrero)氏とトレバー・ホフマン(Trevor Hoffman)氏と共に7月29日にニューヨーク州クーパーズタウン(Cooperstown)で行われる表彰式典に出席する。全米野球担当記者協会(BBWAA)が殿堂入り選手を4人選んだのは1947年、1955年、2015年に続いて4度目。

 ジョーンズ氏の得票率97.2パーセントは、MLBの歴史の中でも際立って高い数字となっている。オールスターに8度選出され、1999年にはナ・リーグ最優秀選手(MVP)に輝いたジョーンズ氏は、ミッキー・マントル(Mickey Mantle)氏やエディ・マレー(Eddie Murray)氏に匹敵する史上最高の両打ち打者の一人とされている。

 アトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)一筋で19年間プレーしたジョーンズ氏は、生涯打率.303、通算468本塁打を記録している。

 2004年にア・リーグMVPを受賞したゲレーロ氏は、オールスターに9度出場し、シルバースラッガー賞(Silver Slugger)に8回輝いている。ゲレーロ氏が放った449本の本塁打は、昨年殿堂入りしたジェフ・バグウェル(Jeff Bagwell)氏と並びMLB史上40位となっている。

 救援投手のホフマン氏は、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のレジェンド、マリアーノ・リベラ(Mariano Rivera)氏に次ぐ史上2位の通算601セーブを記録。サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)時代の16年間でシーズン40セーブ以上を9度達成している。

 オールスター5度出場のトーミ氏は、22年の現役生活で歴代8位の612本塁打を放った。また、13シーズンを過ごしたクリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)での印象が強いトーミ氏は、同球団で2度のワールドシリーズ進出を経験。歴代本塁打数と四球数の両方で10位以内に入っているのはトーミ氏、ボンズ氏、そしてベーブ・ルース(Babe Ruth)氏の3人だけとなっている。

 ボンズ氏は22年間の現役生活で2001年に樹立したシーズン最多本塁打記録の73本を含め、歴代1位の762本塁打を放ったが、栄養補助食品会社バルコ(BALCO)社による大規模な薬物投与に関与したとして個人トレーナーのグレッグ・アンダーソン(Greg Anderson)氏が有罪となり、自身も2007年に司法妨害罪と偽証罪で起訴されたが、偽証罪については取り下げられ、司法妨害罪に関しても2015年に覆った。しかし、2013年に資格を得てから殿堂入りに必要な得票率75パーセントをいまだに獲得できずにいる。

 これは通算7度のサイ・ヤング賞(Cy Young Award)を受賞し、キャリア24年間で通算354勝、防御率3.12、合計4672奪三振をマークしているクレメンス氏も同様だ。クレメンス氏はキャリア晩年に元トレーナーのブライアン・マクナミー(Brian McNamee)氏からステロイドを投与されていた疑いが持たれたが、米議会の公聴会で疑惑を否定。これがうその証言にあたるとして偽証罪に問われたものの、2012年に無罪評決が下された。(c)AFP