【1月25日 AFP】インドネシアの動物愛護グループが国内の市場で犬がバーナーで毛を焼かれ、食肉処理されるところなどを収めたショッキングな動画を公開し、物議を醸している。グループは残虐な慣行だとして市場の閉鎖を当局に求めており、動物愛護の活動家らも抗議の声を上げている。

 動画を撮影・公開したのは、インドネシアの動物愛護団体でつくるグループ「ドッグミート・フリー・インドネシア(DMFI)」。生きた動物を取引する国内の市場では毎週数千匹の犬や猫が撲殺されていると訴えている。

 動画には、スラウェシ(Sulawesi)島のトモホン(Tomohon)とランゴワン(Langowan)にある市場で、猿や猫、コウモリなど、焼かれて切り分けられた動物の肉が公然と販売されている様子が映っている。

 とりわけ物議を醸しているのは、薄汚れた屋台が立ち並ぶ路上で犬がたたき殺され、バーナーで焼かれる映像だ。

 小さなおりに押し込められた犬たちは、周りの出来事を目の当たりにして震えたり、悲しそうな鳴き声を上げたりしているようだ。

 DMFIのローラ・ウェバー(Lola Webber)氏は市場について「まるで地獄を歩いているようだった」と表現している。

 DMFIは残虐な取引の廃止を求めているが、こうした人気の観光スポットにもなっている。

 イスラム教徒が多数派を占めるインドネシア人のほとんどは犬や猫を食べない。しかし広大な群島国家である同国の一部では珍しい生き物の売買が横行しており、その中には郷土料理の材料になっているものもある。(c)AFP