【1月25日 AFP】フィギュアスケート四大陸選手権(ISU Four Continents Figure Skating Championships 2018)が24日、台湾の台北で開幕し、女子シングル・ショートプログラム(SP)では2016年大会覇者の宮原知子(Satoko Miyahara)が首位に立つなど、日本勢が3位までを独占した。また、平昌冬季五輪への出場が濃厚となっている北朝鮮の廉太鈺(Ryom Tae-Ok、リョム・テオク)/金柱希(Kim Ju-Sik、キム・ジュシク)組は観客から盛大な歓迎を受けた。

 宮原は71.74点を記録して首位発進を決めたが、もっとできたと考えており、「最高の演技ではなかったのでそこまで満足ではないが、フリースケーティング(FS)ではベストを尽くして自分の演技に集中したい」とコメント。坂本花織(Kaori Sakamoto)が71.34点の2位、三原舞依(Mai Mihara)は69.84点の3位につけた。

 北朝鮮のペアは、ジェフ・ベック(Jeff Beck)がカバーしたビートルズ(The Beatles)の「ア・デイ・イン・ザ・ライフ(A Day in the Life)」をバックに演技を披露。終了後には観客から拍手喝采を浴び、韓国国旗を振った人もいた。

 2人はパーソナルベストとなる65.25点を記録して暫定首位に立ったが、最終的には僅差の4位でSPを終えた。米国のアシュリー・ケイン(Ashley Cain)/ティモシー・ルデュク(Timothy Leduc)組が66.76点で首位、オーストラリアのエカテリーナ・アレクサンドロフスカヤ(Ekaterina Alexandrovskaya)/ハーレー・ウィンザー(Harley Windsor)組が66.45点で2位、米国のタラ・ケイン(Tarah Kayne)/ダニエル・オシェイ(Danny O'Shea)組が65.74点で3位につけている。

 北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や核実験をめぐって国際的な緊張が高まる中、形式上はまだ戦争中の韓国へ代表団を派遣して五輪に参加するという、驚きの発表を同国が行って以来、2人には大きな注目が集まっている。

 銀と黒の衣装に身を包んだ廉太鈺/金柱希組は、五輪の出場権を獲得した昨年9月のネーベルホルン杯(Nebelhorn Trophy)でも使ったビートルズの曲に乗せた演技を見せた。滑り終えた後は投げ込まれたおもちゃや花を手にし、ゲートの外で待っていたコーチと抱き合った。

 18歳の廉太鈺は「満足していない」とコメントし、25歳の金柱希もリードを守れていればもっと良かったと話した。廉太鈺は「私たちにとってはどの大会も大切な舞台。だから五輪に限らず、この後のどの大会でも勝利を目指して頑張っていきたい」とも話している。北朝鮮選手の大半は外界から隔絶された状況にいるが、2人は世界中を転戦して大会に出場している。

 パートナーの負傷で棄権した韓国のキム・キュウン(Kim Kyueun)は、2人について「少しシャイだったけど、とても親しみやすくて優しかった」と話している。

 アイスダンス・ショートダンス(SD)では、米国のケイトリン・ハワイエク(Kaitlin Hawayek)/ジャンルック・ベイカー(Jean-Luc Baker)組が69.08点でトップに立った。(c)AFP