【1月24日 AFP】米映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が23日、今年のアカデミー賞(Academy Awards)の候補を発表し、ファンタジーロマンス『シェイプ・オブ・ウォーター(The Shape of Water)』が過去最多より1つ少ない13部門でノミネートされた。監督部門では史上5人目となる女性監督がノミネート入りを果たしている。

 2番目にノミネートが多かったのは第2次世界大戦が舞台の作品『ダンケルク(Dunkirk)』の8部門。また犯罪ドラマ『スリー・ビルボード(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)』 は7部門でのノミネートとなった。

 ギレルモ・デル・トロ(Guillermo Del Toro)監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』は、冷戦下の米国で、言葉を話すことのできない女性と男の人魚のような不思議な生き物との恋愛を描いた作品。作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされたほか、サリー・ホーキンス(Sally Hawkins)が主演女優賞に、またリチャード・ジェンキンス(Richard Jenkins)とオクタビア・スペンサー(Octavia Spencer)がそれぞれ助演男優賞・助演女優賞にノミネートされている。

 アカデミー賞のノミネート数でこれまでの最多は『ラ・ラ・ランド(La La Land)』、『タイタニック(Titanic)』、『イヴの総て(All About Eve)』の14部門となっている。

 今年の賞レースでは、セクハラを告発する運動「#MeToo(私も)」や男女不平等などに抗議する運動「タイムズ・アップ(Time's Up)」に注目が集まっているが、AMPASが映画『レディ・バード(Lady Bird)』監督のグレタ・ガーウィグ(Greta Gerwig)氏を監督賞にノミネートしたことで、これまでの「誤り」をある程度正したとみなされることになるだろう。

 1927年以降の映画を対象に開催されてきたアカデミー賞では、これまで監督賞にノミネートされた女性はわずか4人。ガーウィグ監督が5人目のノミネートとなった。

 さらに、人種差別を描いたディー・リース(Dee Rees)監督の『マッドバウンド 哀しき友情(Mudbound)』を撮影したレイチェル・モリソン(Rachel Morrison)さんが、女性撮影監督として初めて撮影賞にノミネートされた。

 第90回アカデミー賞授賞式は3月4日開催。(c)AFP/Veronique DUPONT