【1月24日 AFP】シリアで活動するクルド人部隊の一掃を目指すトルコ軍の軍事作戦は23日も続き、両部隊の間で衝突が見られた。これまでにトルコ軍の兵士3人が死亡している。一方、米国はトルコ軍の軍事作戦はシリア内戦終結に向けた試みを危険にさらす恐れがあると警鐘を鳴らしている。

 トルコ軍は20日、同国がテロ集団とみなすシリアのクルド人組織「民主統一党(PYD)」傘下の民兵部隊「クルド人民防衛部隊(YPG)」をシリア北西部アフリン(Afrin)から排除する「オリーブの枝」作戦を開始した。

 国営メディアによると、トルコ軍は砲撃や空爆を実施したほか、地上部隊と、同国が支援するシリア反体制派がシリア領内に進軍し、複数の村を制圧したという。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は、これまでの戦闘でトルコの支援を受けた反体制派の戦闘員43人、クルド人部隊の戦闘員38人が死亡したと明らかにしている。監視団はシリア側で民間人28人が死亡したとも主張しているが、トルコは過激派のみを標的としているとしてこれを強く否定している。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は同国が支援するシリア反体制派組織「自由シリア軍(FSA)」に言及し、「われわれは、国民、そして自由シリア軍と協力し、この作戦で勝利を手にする」と述べた。

 一方、ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は訪問先のインドネシアで、軍事作戦を行っているトルコに対し、これまでで最も強い言葉を使って「自制」を促し、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との戦闘に悪影響を及ぼす恐れがあると警告した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は24日、エルドアン大統領と電話会談を行い、米国側の困惑を伝えるとみられる。(c)AFP/Kadir Demir with Stuart Williams in Istanbul