【1月24日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)は23日、男子シングルス準々決勝が行われ、大会第1シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は第5セット途中で負傷棄権を余儀なくされ、試合後には相次ぐ選手の故障に歯止めをかけるようツアー主催者側に対応策を求めた。

 ロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)で第6シードのマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)と対戦した世界ランキング1位のナダルは、最終セット0-2となったところで右脚上部のけがを理由に棄権を申し出た。

 ナダルがメルボルンで負傷棄権するのは2回目で、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)と準々決勝を戦った2010年大会では、膝の故障を理由に第3セット途中でリタイアを余儀なくされていた。

 今大会序盤は素晴らしいプレーを続けていたナダルだったが、四大大会(グランドスラム)通算17勝目となるタイトルの可能性がついえた試合後の表情が全てを物語っており、会見では「タフな瞬間だ。チャンスが手から離れていくのは初めてではない」とすると、「ここでは過去にも何回か同じようなことがあった。特に昨年12月に(アラブ首長国連邦<UAE>の)アブダビでスタートを切れず、その後もブリスベンを見送るなどつらい時間を送った後だったから、受け入れるのは非常に難しい」と語った。

 ナダルは膝に不安を抱えた状態で今シーズンのグランドスラム初戦である全豪オープンに臨んでいたが、皮肉にもこの日のチリッチ戦で棄権を余儀なくされた理由は右脚付け根の筋肉だったという。

「具体的な箇所は言えないが、脚の上部だ。明日にもMRIを取って、状況を話し合うつもりだ」というナダルは「今はどのような状況か話すタイミングではない。私たちだけでなく、ドクターもしっかりと把握できていない」としている。

 さらにナダルは、マレーや錦織圭(Kei Nishikori)が大会前に欠場を余儀なくされただけでなく、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)も4回戦敗退となった22日の試合で苦しむなど、けがに悩まされている選手が増えていることを受け、ツアー関係者に改善策を求めた。

「ツアーを運営している人は、今起こっていることを少し考えるべきだ。けがをする選手が多すぎる。彼らが少しでも選手の健康に気を使っているのか分からない。もしこうした硬いサーフェスの上でプレーを続けたら、私たちの将来はどうなってしまうのだろうか」 (c)AFP/Robert SMITH