【1月24日 AFP】(更新、写真追加)長編ファンタジー小説「ゲド戦記(Earthsea)」などで知られる米SF作家、アーシュラ・K・ル・グウィン(Ursula K. Le Guin)さんが22日、死去した。88歳。ル・グウィンさんの家族が23日、明らかにした。

 1929年、カリフォルニア州バークレー(Berkeley)生まれ。父親は人類学者のアルフレッド・ルイス・クローバー(Alfred Louis Kroeber)氏。ラドクリフ大学(Radcliffe College)、コロンビア大学(Columbia University)で学び、1966年に初の長編「ロカノンの世界(Rocannon's World)」を発表した。

 両性具有の異星人と人間の接触を描いた1969年の「闇の左手(The Left Hand of Darkness)」はヒューゴー賞(Hugo Award)を受賞するなど高く評価され、SFの古典に数えられる。

 1960年代後半に執筆を始めたゲド戦記シリーズは、「ハリー・ポッター(Harry Potter)」が爆発的な人気を呼ぶ数十年前に、同じように見習い魔法使いと悪の力の戦いをテーマとした。2006年には宮崎吾朗(Goro Miyazaki)監督によってアニメ映画も制作されている。

 家族はツイッター(Twitter)のル・グウィンさんの認証済みアカウントに「昨日の午後、彼女が安らかに死を迎えたことを深い悲しみをもって発表します」と投稿した。

 ル・グウィンさんは史上最も有名な女性SF作家の一人。ホラー小説の大家スティーブン・キング(Stephen King)さんはツイッターに「単にSF作家であるだけでなく、文学の象徴だった。銀河への旅の安全をお祈りします」と書き込み、「最も偉大な人物の一人」の死を悼んだ。(c)AFP