【1月23日 AFP】来月開幕する平昌冬季五輪を前に韓国と北朝鮮が合意した合同行事に向けて韓国側の視察団が23日、練習場などの確認のため北朝鮮入りした。

 韓国と北朝鮮は、平昌五輪への北朝鮮選手団派遣、女子アイスホッケーの南北合同チーム結成、開会式での統一旗を掲げた合同行進で合意。ほかにも北朝鮮の馬息嶺(Masikryong)スキーリゾートでのスキーチーム合同練習や金剛山(Mt. Kumgang)での文化イベント開催でも合意した。

 慌ただしく結成された韓国の視察団12人は北朝鮮で3日間の視察を行う。聯合ニュース(Yonhap News)によると、韓国の政府関係者が公式に北朝鮮を訪れるのは約2年ぶり。

 韓国政府やオリンピック委員会は「平和のオリンピック」として平昌五輪をアピールしたいと意欲を見せ、平昌五輪が核を保有し昨年から米国と挑発の応酬を繰り返している北朝鮮との対話再開に向けた機会となると説明している。

 だが平昌五輪をめぐる南北合意は韓国内外で物議を醸している。22日にはソウルで大規模な抗議集会が行われ、右翼系の参加者らが北朝鮮国旗や金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の写真を燃やし、北朝鮮当局もこれを非難する声明を出した。韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-In)大統領に対しても、選手団を政治利用したうえに強硬な北朝鮮に譲歩し過ぎだと非難が集中している。(c)AFP