【1月24日 AFP】中国は朝鮮半島の有事に備え、北朝鮮との国境沿いで新たな監視カメラの設置や治安部隊の増強、放射線検出器の稼働といった対策を強化している。

 鴨緑江(Yalu River)を挟んで北朝鮮と国境を接する主要な交易の中継地、遼寧(Liaoning)省丹東(Dandong)市では、国境沿いの柵に掲げられた赤い横断幕に、冷戦(Cold War)時代をほうふつとさせる住民向けのメッセージが記されていた。「スパイ活動を発見した市民や団体は、直ちに国家安全保障機関に報告しなければならない」

 丹東市外では鴨緑江に沿った道路上に新たな検問所が点在していた。地元住民らによると、昨年10月に設置されたという。

 対岸では、北朝鮮兵士らが青緑色の監視塔からこちらをじっと見つめていた。上空では少なくとも1機の軍用機が監視している。

 専門家によると、AFP記者が見た航空機は、ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)時代のイリューシン(Ilyushin)28軽爆撃機あるいはそれを中国でライセンス生産した機種とみられるという。

 中国政府はミサイル発射実験や核実験を繰り返す北朝鮮に対する一連の国連(UN)制裁を支持し、中朝関係は悪化した。

 昨年米中の外交官と軍事当局者が開いた異例の会合で米側は中国側に対し、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)体制が崩壊した場合には北朝鮮に部隊を送り北朝鮮の核兵器を確保する計画を伝えている。