【1月23日 AFP】(更新)韓国の前大統領、朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)被告の在任中に、自身に批判的な文化人約1万人の「ブラックリスト」が作成された事件で、ソウル高裁は23日、前文化体育観光相の趙允旋(チョ・ユンソン、Cho Yoon-Sun)被告に対し、禁錮2年の実刑判決を言い渡した。

 趙被告は昨年7月の一審ではブラックリスト作成に関しては無罪とされ、関連する微罪で執行猶予付き判決を受けて釈放されていた。検察はこれを不服として上訴していた。

 しかし、趙被告が2016年の文化体育観光相への就任前、朴被告の政務首席秘書官を務めていたことから、高裁は趙被告が特定の文化人らへの助成金を打ち切る企みに協力していたと考えるのが「合理的」だと判断した。判決を受け、趙被告は法廷内で身柄を拘束された。

 高裁は、朴被告の元秘書室長で趙被告にブラックリスト作成を命じたとされる金淇春(キム・ギチュン、Kim Ki-Choon)被告に対しても、一審判決の禁錮3年より重い禁錮4年を言い渡した。

 2016年に存在が発覚した「ブラックリスト」は、朴被告を批判した文化人への助成金や民間資金を枯渇させ、政府の監視下に置く目的で作成されたもの。リストには、2016年に英国の文学賞マン・ブッカー賞国際部門(Man Booker International Prize)を受賞した小説家、韓江(ハン・ガン、Han Kang)氏や、映画『オールド・ボーイ(Oldboy)』で2004年のカンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)審査員特別賞を受賞した映画監督、パク・チャヌク(Park Chan-Wook)氏の名もあった。(c)AFP