【1月23日 CNS】米アップル(Apple)のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」旧機種でiOSソフトウェアを更新すると動作が遅くなる問題について、2017年中に上海市消費者権益保護委員会に寄せられた消費者からの苦情は、2615件だった。苦情に基づき、同委員会は15日、アップル側に対して動作減速についての回答を求めた。

 主な質問内容は、(1)消費者に告知したり同意を得たりせず、iOS更新によって勝手に性能を落とすことについてどのような措置を取るのか、(2)消費者の選択する権利や知る権利を保護するため、iOSソフトウェアを更新する際、どのようにして通常の更新と不利な影響をもたらす更新を分け、同時に、消費者の利害に関係する情報開示をどのようにして行うのか──など。

 これに対し、アップルは19日、回答書を上海市消費者権益保護委員会へ提出。回答書の中で、ティム・クック(Tim Cook)CEOはこの問題について謝罪した。

 回答では、iOS10.2.1とiOS11.2のソフトウェア更新により動作が減速する可能性があり、原因と現象について詳細に説明した。また、ソフトウェア更新時に、「製品の購入やソフトウェアの更新前などの情報をユーザーに通知するプロセスを見直して改善する」と説明している。

 上海市消費者権益保護委員会はアップルの回答に対して肯定的だが、中国の『消費者権益保護法』に基づき、「アップルは消費者の知る権利と選択する権利を保護する有効な措置を講ずる義務がある」と指摘した。

 アップルは近く、専門チームを設けて新しいソフトウェアのアップデート、改善措置、消費者の権利と利益の保護について上海市消費者権益保護委員会と意思疎通を図っていくとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News