【1月23日 AFP】米体操連盟(USA Gymnastics)は22日、元チーム医師のラリー・ナサール(Larry Nassar)被告による性的虐待スキャンダルを受け、理事が退陣したと発表。シモーネ・バイルス(Simone Biles)ら米体操女子の金メダリストが被害者となった今回の事件で、同連盟には組織としての対応に批判が集まり、ポール・パリリャ(Paul Parilla)理事を筆頭に、ジェイ・バインダー(Jay Binder)理事、ビッツィ・ケリー(Bitsy Kelley)理事が辞任した。

 昨年11月に米体操連盟の会長に指名されたケリー・ペリー(Kerry Perry)氏は、「今回の辞任を支持する。これをきっかけに、より効果的に前進して組織内の改革を実行していけると確信している」と述べた。

 100人以上の体操選手を虐待した罪で、チームの元医師がミシガン州の裁判所で終身刑の判決を言い渡される見通しとなっている不祥事を受け、大きな批判にさらされている同連盟は窮地からの脱却を図るなか、常任が選出されるまで暫定の理事を指名することになっている。

 今回の動向については米国オリンピック委員会(USOC)も数か月前から模索しており、スコット・ブラックマン(Scott Blackmun)最高経営責任者(CEO)は声明で、犠牲になった女性たちに心を注ぐ必要があると訴えた。

「新しい理事会が必要だ。なぜなら、彼らは自分たちが責任を取らないことに集中していたからだ。米体操連盟は勇敢な生存者を支援していくことに心を注いでいく必要がある。五輪ファミリーはこれらのアスリートを犠牲にした。こうした問題が二度と起きないように、これからも必要なあらゆる措置を講じていかなければならない」(c)AFP