【1月23日 AFP】毎年7月に米ニューヨーク州クーパーズタウン(Cooperstown)で式典が開かれる野球殿堂(Baseball Hall of Fame)の2018年メンバー発表が24日に近づくなか、過去の薬物スキャンダルを背負うバリー・ボンズ(Barry Bonds)氏やロジャー・クレメンス(Roger Clemens)氏らはリスト入りに苦戦が続いている。

 米大リーグ(MLB)の本塁打王であるボンズ氏は、22年間の現役生活で2001年に樹立したシーズン最多本塁打記録の73本を含めて歴代1位の762本塁打を放っており、球界トップの投手として活躍したクレメンス氏は、キャリア24年間で通算354勝、防御率3.12、合計4672奪三振をマークし、通算7度のサイ・ヤング賞(Cy Young Award)を誇っている。

 クレメンス氏はキャリア晩年に元トレーナーのブライアン・マクナミー(Brian McNamee)氏からステロイドを投与されていた疑いが持たれたが、米議会の公聴会で疑惑を否定。これがうその証言にあたるとして偽証罪に問われたものの、2012年に無罪評決が下された。

 一方、ボンズ氏は栄養補助食品会社バルコ(BALCO)社による大規模な薬物投与に関与したとして個人トレーナーのグレッグ・アンダーソン(Greg Anderson)氏が有罪となり、自身も2007年に司法妨害罪と偽証罪で起訴されたが、偽証罪については取り下げられ、司法妨害罪に関しても2015年に覆った。

 それにもかかわらず、ともに2013年に野球殿堂の有資格者となった両氏は全米野球担当記者協会(BBWAA)のベテラン記者から殿堂入りに必要な75パーセントの得票を集めるのに苦戦。昨年は36.2パーセントだったボンズ氏は現在53.8パーセント、同37.6パーセントだったクレメンス氏は現時点で54.1パーセントにとどまっている。

 野球殿堂の投票ウオッチャーはツイッター(Twitter)で、今年の投票者の約半数から集めた情報として、クレメンス氏とボンズ氏の得票は64パーセント前後に上り、当確ラインに近づいていると投稿。さらに予想としてはチッパー・ジョーンズ(Chipper Jones)氏を筆頭に、ジム・トーミ(Jim Thome)氏、ブラディミール・ゲレーロ(Vladimir Guerrero)氏、エドガー・マルティネス(Edgar Martinez)ら野手のほか、救援投手のトレバー・ホフマン(Trevor Hoffman)氏が当確圏内で、マイク・ムシーナ(Mike Mussina)氏とカート・シリング(Curt Schilling)氏らが圏外だとしている。(c)AFP