【1月23日 AFP】同性婚のパートナーと世界各国で結婚し、同性婚を祝福する計画を立てていた40歳のオランダ人アーティストが22日、死去した。妻が明らかにした。

 フルール・ピレイ(Fleur Pierets)さん(44)のフェイスブック(Facebook)には「ジュリアン・P・ブーム(Julian P. Boom) 1977年11月18日―2018年1月22日」との短いコメントが掲載され、動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」には2人の写真や動画を編集した映像が投稿された。

 ブームさんとベルギー人アーティストのピレイさんは昨年9月、在住する米ニューヨーク市で合法的に最初の結婚をした。その後、同性婚が許されている国すべてを回り結婚するというパフォーマンス・アートを行う計画を立て、オランダ・アムステルダム、続いてベルギー・アントワープ(Antwerp)で象徴的な結婚式を行った。

 だが今月、ピレイさんがAFPの取材に電子メールで応じたところでは、昨年11月7日に仏パリで4番目の結婚式を終えた後、ブームさんが「強いめまいをもよおしたため、彼女を支えて市役所の階段を下りなければならなかった」という。

 ブームさんの具合がかなり悪化したため、2人はフランスのピレイさんの母親の自宅で休息を取ることにした。だがそこでの検査で、ブームさんには多数の腫瘍があることがわかった。

 2人は全財産を売り払って「プロジェクト22」と名付けたこの計画のための資金を用意した。ドキュメンタリーの製作や写真展、本の出版も予定していた。

 プロジェクトの開始以来、オーストラリア、ドイツ、マルタで同性婚が合法化された他、オーストリアの最高裁は昨年12月、2019年から同性婚が合法化されると発表している。(c)AFP