【1月22日 AFP】ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされている問題で、23日に始まる予定だったロヒンギャの帰還が延期されることが分かった。バングラデシュ側の当局者が22日、明らかにした。帰還途中の一時収容施設の準備や帰還者名簿の承認といった、膨大な作業が残っているためだという。

 昨年8月、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州でロヒンギャの武装組織が警察の検問所を襲撃したことをきっかけに、ミャンマー軍がロヒンギャの掃討作戦を実施。以後バングラデシュに避難したロヒンギャは約75万人に上っている。

 バングラデシュの難民救済・帰還支援機関のアブル・カラム・アザド(Abul Kalam Azad)氏は、「あす(23日)からの送還に欠かせない準備が整っていない。多くの準備がさらに必要だ」と述べたが、帰還開始がいつになるかは明言しなかった。

 アザド氏によると、一時収容施設の建設や、ミャンマー側の照合作業に必要な帰還者名簿の作成など、帰還開始前に「徹底した作業」が求められるという。

 ロヒンギャをミャンマー側へ引き渡す前の収容先となる移送地としては、両国の国境付近の2か所が選定されているものの、「未完の状態で、これらの人々を突然送り返すわけにはいかない。作業は現在も続いている」とアザド氏は強調した。

 ロヒンギャの帰還完了には、2年かかる見通し。(c)AFP