【2月25日 AFP】米デトロイト(Detroit)は自動車の代名詞であり続けるが、この「自動車の都」にはもっと小さい消費財のオンライン市場もある。──それはスニーカーだ。

 デトロイト中心部に立つ超現代的な建物の10階にあり、米ラッパーのエミネム(Eminem)や俳優のマーク・ウォールバーグ(Mark Wahlberg)らを含む出資者が支援する「ストックX(StockX)」は、限定版やコレクターズアイテムなどのスニーカーを売買する取引所だ。

 証券取引所などと同じように、この世界初のスニーカー取引所でも相場は消費者意識などによって変動し、数百ドルや数千ドルで売買される。

 スニーカーの他にハンドバッグや腕時計、ストリートウエアも扱うストックXだが、その市場参加者たちは、中央銀行総裁らの発言などに注目する代わりに、インスタグラム(Instagram)で、米タレントのキム・カーダシアン(Kim Kardashian)がある高級ブランドのどのバッグを持っているか、夫でラッパーのカニエ・ウエスト(Kanye West)が何を履いているかなどを監視する。

「ストックXはモノの株式市場だ」と話すストックX創設者で最高経営責任者(CEO)のジョシュ・ルーバー(Josh Luber)氏は、「私たちはただ買い手と売り手をつなげるだけだが、その方法は世界の株式市場が買い手と売り手をつなげるやり方と全く同じだ」と語った。

 買い手が決まると、売り手は商品をデトロイトにある取引本部、もしくはアリゾナ州フェニックス(Phoenix)の鑑定部へ送らなければならず、そこで商品の真贋(しんがん)が検証される。

 スニーカーの鑑定を担当するアーロン・フィールズ(Aaron Fields)氏は、「靴が届いたら、まずはにおいをかぐ。それぞれとても特殊な接着剤のにおいがするんだ」と話す。

「ジョーダン(Jordan)やナイキ(Nike)、アディダス(Adidas)、全部違うにおいだ。まずその違いを知らないといけない」と語り、「ニセモノは、ちょっとにおいが違うね」と加えた。 (c)AFP/Luc OLINGA